【芋100%焼酎への挑戦と100年昔の芋の復活】(その3)
シリーズ最後の3回目は、「安田」のお話です。

100年昔の芋"蔓無源氏"で仕込んだ芋100%の焼酎「安田」

(1) 初年度の貴重な失敗経験
平成24年10月と12月に初めて仕込んだ「安田」。杜氏・安田宣久の杜氏人生20年の集大成ということで、取り組みました。
ところが、12月に仕込んだ「蔓無源氏」の芋が、だいぶ傷んでいた影響で、かなりの刺激臭が残る焼酎となりました。この刺激臭は、半年ほど経ってもなかなかとれず、非常に頭を悩ませましたが、結果的にはこのことが、その後の「安田」を造ってゆく上で、非常に大切な経験となりました。

平成25年7月頃から、この刺激臭に少しずつ変化が現れてきました。刺激臭が、マスカットやライチのような果実系の香りに、少しずつですが変化をしてゆきました。
平成25年10月、いろいろと悩んだ末に、芋焼酎「安田」を発売することにしました。独特の風味を、お客様がどう評価するか、不安でいっぱいでしたが、いざふたを開けてみると、今までにないタイプの芋焼酎ということで、予想以上の反響があり、初年度発売分(一升瓶7,000本)は、すぐに完売となりました。

芋焼酎「安田」

(2) 「安田」の独特の香り…モノテルペンアルコール
芋焼酎「安田」の独特の香り成分は、モノテルペンアルコールです。この成分は、柑橘類や花にも含まれて、アロマテラピーにも使われています。
「安田」は、これまでの成分分析で、このモノテルペンアルコールが非常に高いという結果が出ています。

 
 (3) "蔓無源氏"の芋の貯蔵への取り組み
初年度の「安田」の発売とほぼ同時期の平成25年10月、2年目の「安田」の仕込みが始まりました。1年目のような心配をしないようにと、新鮮な"蔓無源氏"の芋を使って仕込んだ結果、1年目のような刺激臭も残らず、上々の出来に仕上がりました。
1年ほど熟成させて、いざ発売すると、"飲みやすくなった"という声が聞かれた反面、"1年目の「安田」に比べて物足りない"という意見を多く耳にして、芋焼酎造りの難しさを痛感しました。

より特徴のある風味を出してゆくにはどうしたらよいか、いろいろと考えた結果、"蔓無源氏"の食用芋の販売経験から、"蔓無源氏"の芋を貯蔵してから仕込むことにしました。
3年目、4年目の「安田」の仕込みでは、後半の仕込みで芋を貯蔵させ、より特徴のある焼酎に仕上がりました。
そして、5年目の「安田」の仕込みが始まる直前の平成28年10月、芋の貯蔵庫が完成し、5年目の「安田」では、全ての芋を貯蔵させて仕込むことができました。その結果、上記グラフの通り、モノテルペンアルコールの値が、これまで以上に、非常に高い数値が出ています。5年目の「安田」は、平成29年11月頃の発売を予定しています。

貯蔵庫に貯蔵されている「蔓無源氏」の芋
 
芋焼酎「安田」は、全国の特約店で販売されていますが、売り切れになっているお店も多いようです。
11月には発売予定ですので、購入をご希望の方は、こちらのメールアドレスに、お住まいの地域をお知らせ下さい。最寄りの販売店をご紹介します。